つぶれている

　いつも行く漫喫の部屋の種類はフラットだのペアだのリラックスだのいろいろあるが、付属品の設備は割と大雑把な店だった。狭い部屋に無理ムリパソコンとテレビを詰め込んだり、オットマンがなかったり、ハンガーがなかったりする。椅子は汚ねーし、洗った筈の灰皿にはいつも灰がついている。マグカップと紙コップがあった筈なのに、洗う手間を省くためか、いつのまにか紙コップオンリーになった。まあ、従業員全部バイトだからね。

　決して品揃えがいいわけではないそんな店に何で行くのかというと、駅からすぐそばで隣にマック（マクド）があって、隣にゲオがあるからだ。総合駅とは名ばかりでなーんにもなかったこの周辺に「ファミレスでもあったらなあ〜」と思っていたのは、はるか昔。ようやくできたでねーずなど一回も行った事はない。漫喫は一時間315円で、コーヒー１杯よりも安いからだ。

　ある部屋のモニタが新しくなっていた。あらステキ。パソコンのモニタとテレビが目前に迫っているのは、つねづね暑苦しくてせまっちいと思っていたのよ。後ろの邪魔なコードもすっきりしていーじゃない。

　パソコンを立ち上げてサイトを見るとなんか変だ。モニタに親切に付けてあるテプラの注意書きを読みながら、ヒューレットのリモコンでぽちぽち操作する。『PCのみの方はVGA』という注意書きは大ウソだった。文字もいよかんも、あの人の絵も自分の絵もみーんな横につぶれているわ、あーっはっはっは。結局『テレビのみの方』で普通に見えた。

　大型薄型テレビが売り出された頃の、映画のスクリーンの縦横比にあわせると、テレビの画面が横につぶれるなどという（比率なんざ知るか）、使い古されたネタをやってんじゃねえよ。いや、別にネタじゃないか。やっぱさー、７0〜８０センチ近くで使うパソコンのモニタと、『３メートル以上はなれて見ろ』のテレビは一緒にできないと思うんだ。