憑依

　夏の夜の怪談ではありません。金縛にあったこともなく、オーラも幽霊も見えず、そっち方面にはとんと疎いヤツです。上と下の学年がバリバリだったけど、うらやましくなかった。だって全然幸せそうじゃなかったし、神社やお寺に行くだけで大変そうだったし（笑）

　ある事にとりつかれるというのは誰でもあると思うが、それが物だったり趣味だったり。ミッチーとかデルアーとかは、まー置いといて。

　黒い方のトトロは、もうずっと長い間ある曲にとりつかれている。有線でふと聴いた『ドレス』という曲。大して熱心に調べようとは思わなかったので、タイトルや歌っている人を教えてもらったのはずっと後の事だ。

　何かが流れている。それを拾って文字にしている。この前ルーズリーフが４つ目に入った。つまりＢ５の裏表で３００枚だ。それよりも前に、１００ページの大学ノートが２冊ある。げー、誰も読みたかねーよ。こんなきたねー文字。

　多分、書いているのは小説なんだろうと思う。ただし話を考えているのはオレではないので、ある日突然やってきて、さくさく進む事もあるし、停滞前線みたいにどっかりと居座る事もある。忙しい時とか、他の事をしている時には、もう勘弁して下さいとしか言えない。しかも、いつ何が流れてくるのか判らないので、行ってしまったらそれきりだ。

　それにくらべると、デルアー小説のレポート用紙が３冊目くらいどうってことないような気もする。いや、取り憑かれ方は異常だと思ってますが、人間狂っている時に、素面に戻っちゃいけませんな。はあ……。