せこい

　物価が上がると、売っている方は量を減らすか、代金を上げるかどちらかになる。または、自分のふところが痛むのを我慢するか。

　ちくわは5本入りから4本に、納豆はスズメの涙くらいの小粒になったそうだ。雪印の6P（ロッピー）チーズは、明らかに、高さが減った。横幅を減らすと円にならないし、箱の中で余るしな。箱自体を小さくすると、余計にカネがかかるのだ。しかし、何といってもマクドナルドのポテトSサイズが140円から200円になったのはすごいと思う。ハンバーガー2個分て……。

　最近は良くタダで本を仕入れてくる。チェーン店にはないようだが、個人の漫画喫茶では、月遅れの雑誌が外に良く置いてある。あれはもらって来てもいいのだ。たまに付録もあったりする。表紙にでかでかとマジックで店の名前が書いてあっても、本は読めりゃいいしねえ。漫画の単行本より、『PEN』とか『SCREEN』とか『SPY MASTER』とか、雑誌の方が高いんだよね。漫画雑誌と違って、良い紙を使ってるから。

　図書館には棚の整理のために、年に一回くらいで蔵書のリサイクルをしているところがある。個人が持ち込む市民のリサイクルは年中無休だ。これは生まれる前の本だ、というのに巡り会う事がある。古書店には並ばないような30年前の文庫とか古い参考書とか。

　いつだったか、家にあった『家庭の医学』をブックオフに持ち込んだら、受けつけてもらえなかった。会社から配られたヤツなので、バーコードがなかったのがいかんらしい。会社の名前なんかついてないし、内容はまったく同じなんだが。図書館に持っていったら、新品なので受付の兄ちゃんが恐縮していた。持って帰れと言われる方がイヤに決まっとろうが。広辞苑並みの本なのに。

　『波』とか『図書』とか『新刊展望』とか『本の旅人』とかは、年間購読料一律１０００円だ。本屋に置いてあるのは値段がついているが、出版社の宣伝なのでタダだ。インタビューや連載小説やエッセイも載っているので、本屋へマメに行く人はもらってくるがよろし。ただし、配本は一件の本屋さんにつき2冊くらいなので、書店員ががめていた場合はあきらめよう。